【リノベーション】雑色商店街の木造店舗を全面リノベーション!旧図面復元から1階・2階のこだわり空間づくりまで

Re Design
本案件は雑色商店街に面するテナント物件です。木造2階建ての建物は、上下階とも居酒屋として運営されておりました。耐震改修にあたって構造計算が必要となりましたが、築年数が経過した建物ということもあり、当時の図面が手元に残っていない状態からのスタートとなりました。そこで当社にて既存建物の現地調査をし、図面を一から復元。既存の構造体や使用可能な梁・床を活かしつつ、構造計算によって新たに必要となった耐力壁や、筋交い等を追加することで安全性を確保いたしました。リノベーション後、1階には雑色商店街で長らく親しまれていた焼き鳥店が移転オープンし、2階は従来の居酒屋が引き続き営業される形となりました。商店街の賑わいを未来へ繋ぐ、味わい深くも安心できる空間へと生まれ変わっています。

Before

Before

Before

Interior_1F
1階の焼き鳥店では、店舗の安全面と衛生面を最優先に考えた内装設計を行いました。油を多く扱う焼き鳥店のため、床には滑りにくく耐久性の高い防滑仕様を採用。既存の床の上に土間コンクリートを打ち増しし、仕上げには学校や病院、給食室などでも使われる耐油性に優れた「エポキシ樹脂系床材」を塗布しています。また、中央に設置されたプレハブ冷蔵庫は、現場調査段階では実物がまだ設置されていない状態でした。そのため、事前に詳細な寸法を把握し、ドレン排水管の位置や全体のサイズ感を綿密にシミュレーションして設計。実際の搬入・施工時にもぴったりと収まり、機能性とスムーズな動線を両立させた空間が完成しました。

Interior_1F
1階の店頭カウンターは、日々のお手入れのしやすさと、意匠的な美しさを両立させた設計を行いました。上部の照明には、焼き鳥店特有の油・煙による汚れをサッと拭き取りやすい、凸凹の少ないフラットな器具を採用し、日々の清掃負担を軽減しています。また、カウンター横にそびえる黒タイルの壁には、現場ならではの工夫が隠されています。本案件は隣地への越境を防ぐために一部の配管を、建物の内側を通る形で桝に接続する必要がありました。そのままでは正面にパイプが露出して見栄えを損ねてしまうため、柱をふかして配管を内部に格納。仕上げにシックな黒タイルをあしらうことで、配管隠しを感じさせないスタイリッシュなデザインのアクセントとして活かしています。

Construction
1階正面は、焼き鳥の調理およびお客様への商品手渡しを行うカウンター(受け渡し口)となります。商店街に面した店舗として開放的な広い間口を確保する計画としましたが、直上となる2階には重厚な厨房設備が配置されており、その荷重による天井のたわみや下落を防ぐ安全対策が必要不可欠でした。そこで本工事では、開口部に合わせて木造門型フレームを新たに組んで補強を実施。柱や壁を無駄に増やして間口を狭めることなく、上階からの大きな荷重をしっかりと支える堅牢な構造を実現しました。

Entrance
2階へ続くエントランスの店名プレートには、高級感漂うゴールドカラーを採用。素材選びの段階では、質感や経年変化の違いをご説明しました。味わい深い経年変化を楽しむなら真鍮、美しい輝きを長く維持したいならステンレスという選択肢の中から、今回は美しさを長期的に保てるゴールド仕上げのステンレス製をご選定いただきました。照明器具も同色系で色合いを合わせ、落ち着きと統一感のあるアプローチを形づくっています。

Entrance
2階へと続く階段の上に佇むのは、スポットライトに照らされた切り文字の店名サイン。階段上にあった既存腰窓の生活感を隠すために設けたこの造作壁は、裏側のデッドスペースを有効活用しているのが大きなポイントです。裏手にはお酒のP箱(プラスチックケース)が収納できる寸法を確保し、お客様の視線を遮りながらビールサーバーの樽やゴミなどの一時保管を可能にしています。周囲の壁には目地を設けることで既存窓との調和を図りながら、タイルのような高級感を付加。見せるデザインと隠す収納が美しく融合した空間です。

Interior_2F
2階居酒屋の店内は、施主様のお好みである「緑色」をアクセントカラーとして取り入れています。カウンター腰壁のタイルをはじめ、ペンダントライトや窓際のブラインドには薄緑~深緑色を共通して選定。厨房側をダークトーンで落ち着かせ、客席側をパッと明るく見せるメリハリのある内装計画により、はっきりとしたコントラストを演出しています。また、換気扇工事においては、構造体への負荷や安全性を最優先に考慮。安易に新規の壁開口を行わず、既存の開口穴を有効活用して新品へ交換することで、建物のコンディションを守りながら快適な給排気環境を整えました。

Interior_2F
2階の客席フロアは、既存の和室(畳敷き)からフローリング仕上げの店舗空間へと刷新しました。耐震補強にて用いる構造用合板などを既定のピッチで正しく施工するため、既存の床の上に新たな床をつくる施工方法を採用しています。これにより床の位置が高くなったことで、既存の腰窓の高さが相対的に低くなり、立ち上がった際の転落リスクが懸念されました。しかし、安全用の手すりや柵を直接設置することは店舗全体の美観を損ねてしまいます。そこで、窓側の壁面に造作壁を新設。十分な高さを確保して安全性を高めると同時に、空間をすっきりと見せる腰壁デザインとして仕上がっています。

Interior_2F
2階のメインとなるカウンターには、以前の店舗で長年使用されていた既存の木製カウンター材(一枚板)を再利用しています。施主様の「大切なカウンターを再利用したい」という強い想いを受け、一度取り外した木材を専門の木材加工工場へ搬入。表面をきれいに研磨し、クリアな塗装で仕上げ直すことで、木の持つ豊かな風合いはそのままに、新品同様のみずみずしいツヤと質感を取り戻しました。既存の重厚感や木の味わいは残しつつ、美しく生まれ変わった一枚板が、居心地の良いカウンター空間をつくり出しています。

Interior Construction

After

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After

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